「商店会」などの団体について

アーケード商店街の入り口を描いたイラスト
店舗が立ち並んでいるエリアで開業すれば、周辺で出店している人たちと顔見知りになったり、あいさつをしたりなど、付き合いが増えていきます。そこには「○○商店会」などの組織が存在していて、彼等はその団体の中でつながりを持っていることが多いものです。しかし、初めて開業する人は、「商店会」がどういうものなのかほとんどわからないでしょう。活動内容のほか、加入メリットについても知り、加入可否を自分で判断できるようにしましょう。

商店会の概要

通りの両脇にさまざまな業種の店舗が軒を連ねているのが「商店街」。商店街の各店舗のオーナーが集い組織化されたものが「商店会」などになります。

 

ただ、「商店街」内の店舗で「商店会」が形成されていることが多いので、この二つは一般の認知としてはあまり区別されていません。商店会は、商店街内の店舗同士の相互扶助を目的とした任意団体です。現在では、その多くは活動の方向を地域活性へと向け、街全体がにぎわい、地域住民が住みやすいと感じてくれることで、自分たちも事業継続・発展ができるという意識を持っているようです。

 

参加人数などの要件を満たしていると、商店街振興組合法に基づいて、「商店街振興組合」として法人格を有することができます。

商店会の目的・活動内容

商店街が実施するキャンペーン広告、スタンプカードのイメージ

人が住む所には商店街があり、そこで暮らす人々の生活利便性や地域の活性化のために、実は陰ながら存在し活動をしているのが商店会です。当然、自店舗の利益追求は目的の一部にありますが、一店舗だけの活動や努力だけでは、さまざまな面で限界があります。そこで店主同士が集まり、組織として商店街と地域を盛り上げていくのです。

 

具体的には、お祭りや福引きキャンペーンなどのイベントを季節ごとに企画し、多くの人を集めたりします。ポイントカードやスタンプラリーにより、地元での消費を定着させるという事例もあります。こうして商店街に人が増え、街が元気になると、それぞれの店舗も潤っていきます。

 

また、商店街の整備も行います。歩きやすいように路面の舗装を変えたり、夜間の安全のために街路灯を設置したり、防犯カメラを設置したりします。法人格を有する団体ならば、このような施策に対しても自治体からの助成金や支援の申請などが円滑に行えます。人々が「歩きやすい」「買い物が楽しい」「夜の帰り道が明るくて安心」と感じる背景には、活気のある商店会の活動が欠かせないのかもしれません。

商店会への加入判断はどうするか

前記のように、商店会は店主たちによる任意団体です。そのため、開業したとしても「強制じゃないなら加入しなくても…」と参加を迷う人も少なくないでしょう。そもそも、すでに出来上がっている組織の中に入るのには、勇気がいるかもしれません。そこで知っておきたいのが、商店会へ加入するメリットです。

 

大きなメリットとして、「経営者同士のつながりが増える」ということが挙げられます。個々の店舗が繁盛するかどうかは、自分の努力が大きいものです。ただ、他の店主たちとの付き合いから経営に役立つ情報を聞き、自店の利益につながるヒントになることもあります。事業主というのは悩みが多く、孤独なこともあるでしょうから、単に同じ立場でいろいろと話ができるということでも、助かる部分はあるかと思います。

 

次のメリットとしては、宣伝効果・集客効果が得られるということでしょう。企画イベントを通じて一時的な売上増加が見込めるのはもちろんのこと、サービス内容や接客姿勢を知ってもらうことで、新規顧客がリピーターになる期待も生まれます。

 

デメリットにも触れておきましよう。まず、商店会活動費として月々の支出が生じます。また、活動が活発になるほど、自店舗経営にプラスしてやることが増えていきます。活動が面倒、人付き合いが苦手な人には積極的な参加はしにくいかもしれません。

 

ただ、その商店街でこれから経営していく上で、なんらかのトラブルが起きたときに、商店会に加入していることで助かることもあるでしょう。自店舗の経営方針は守りながら、将来的な事業継続を考えて加入可否を判断することをおすすめします。

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