不動産会社と結ぶ「媒介契約」の種類とは
媒介契約の主な種類は三つ
不動産会社に仲介を依頼するときに結ぶ媒介契約には、「一般媒介契約」「専任媒介契約」「専属専任媒介契約」の三種類があります。では、それぞれの契約内容を簡単に整理してみましょう。
【一般媒介契約】
三つの媒介契約の中では、売主と不動産会社の結びつきが最も弱い契約です。
一般媒介契約では、売主が複数の不動産会社に並行して仲介を依頼できます。
また、売主が他の不動産会社へ仲介を依頼していることをレインズ(※)に開示する「明示型」と、開示しない「非明示型」の二つのタイプがあります。
【専任媒介契約】
一般媒介契約よりも、売主と不動産会社の結びつきが強くなります。専任媒介契約を結ぶと、売主は他の不動産会社へ仲介を依頼できません。そのかわり、不動産会社は販売活動と状況について、売主に対し二週間に一度以上の報告義務などが発生します。また、自己発見取引も可能です。
【専属専任媒介契約】
専任媒介契約よりもさらに売主と不動産会社の結びつきが強いのが、専属専任媒介契約です。他社への仲介依頼と自己発見取引はできません。売主への報告頻度は、一週間に一度以上です。
※レインズ
Real Estate Information Network System(不動産流通標準情報システム)の略称で、全国の不動産情報を管理しているシステムのことです。レインズは、国土交通大臣から指定された四つの指定流通機構によって運営され、各事業圏内の不動産会社が加入しています。このレインズに仲介を依頼した物件が登録されると、全国の不動産会社が情報を閲覧できるようになります。
三つの媒介契約のメリットとデメリット
次に、三つの契約についてメリットとデメリットを見ていきます。
【一般媒介契約】
〈メリット〉
複数の不動産会社に仲介を依頼することで、広く買主を募集できることがメリットです。不動産会社は、仲介手数料を得るために他社よりも早く買主を見つける努力をしますから、早期売却につながる可能性があります。また、自己発見取引も可能なことから、自分の活動次第でより有利な売買契約を成立させられます。
しかし、複数の不動産会社に依頼する事で、大手企業様ほど積極的に動かない可能性が高まります。
〈デメリット〉
不動産会社間の競争が激しくなるため、不動産会社は少しでも早く売買契約を成立させようとします。その結果、相場よりも低い価格で買主を見つけてくる可能性があります。自分の希望にそぐわなければ断ることができるものの、悪い方向へ競争原理が働かないように注意すべきです。また、販売価格の設定を含め、売れにくい条件の場合、不動産会社からはあまり積極的な改善策の提案は得られないかもしれません。しかし、それでも売れるような取り組みを提案してくれる会社があるならば、それは信用できる会社とも言えるでしょう。
【専任媒介契約】
〈メリット〉
まず依頼主が一社なので、やり取りが楽です。その上不動産会社から定期的な活動報告が受けられ、販売活動の内容や進捗状況を逐一確認できます。また、レインズへの登録が義務付けられるため、インターネットを通じて全国の不動産会社間に情報が行き渡りやすくなります。さらに自己発見取引が認められていることもメリットです。
〈デメリット〉
一社に販売活動を任せるため、売れるかどうかはその会社の力量次第になります。他社との競争がないので、早期売却につながらないこともあります。
※弊社では専任媒介契約を基本としており、早期成約に結びつくように全力で販売活動を致します。
また、売主様の希望価格に寄り添う形での販売も致します!(市場価格とかけ離れてる場合はお時間は掛かります)
【専属専任媒介契約】
〈メリット〉
レインズの登録義務期間が最も短いので、その分全国の不動産会社への情報伝達が速いです。また、最低でも週一回は不動産会社からの報告があるため、販売活動の進捗を細かく知ることができます。その分広告に手をかけるなど、売却するための方策を積極的に打ってくれることが期待できます。
〈デメリット〉
専任媒介契約同様に、売却の窓口が一社に限定されます。また唯一、自己発見取引ができません。そのため、個人的に買主を見つけても、必ず契約した不動産会社を通さなければなりません。
仲介以外の売却方法
ここまで紹介した三つの契約は、あくまでも「仲介」による売却です。しかし、不動産の売却は仲介(媒介契約)が全てではありません。
・ローンや債務の返済に窮したときに利用する「任意売却」
・早く確実に現金化したいときのための不動産会社による「買取」
これらは仲介による売却とは異なるものの、いずれも不動産を現金資産に変える手段です。積極的に住み替えたいのか、売却益を出したいのか、ローンの返済滞納による窮地を脱したいのかによって取るべき方法は変わってきます。仲介だけにこだわらず、自分の目的に合った売却方法を選択しましょう。
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