賃貸で一戸建てに住むという選択肢

庭付き一戸建てのイメージ画像
賃貸住宅を借りるとき、アパートやマンションのほかに一戸建てという選択肢もあります。集合住宅にはない、一戸建てならではの魅力や注意点を確認して、住み替えの候補として考えてみてはいかがでしょうか。

賃貸一戸建てのメリット

まず、一戸建てに住むメリットとはどういうものか、見ていきましょう。

 

【生活音の気づかいがない】

アパートやマンションは、壁・床・天井を接する複数の住戸からなる構造ですから、ドアの開閉音や足音、子供の声などの生活音が響きやすく、居住者はお互いに気を使う必要があります。その点一戸建ては、足音を立てても、子供が多少騒いでも、室内での音を気にすることはほぼないでしょう。来客を呼んでにぎやかに過ごすこともできますから、ホームパーティーなどが好きな人には向いていると思います。

 

【広く住める】

一般的に、一戸建ては居室が複数ある間取りになっています。キッチンが独立している場合が多いですし、バスルームとトイレはほぼ別々になっています。もちろん建物によって違いますが、おおむね部屋数が多いとか、広いとか、ゆったり暮らせる物件が多いでしょう。

 

【収納スペースが多い】

アパートやマンションに比べて、一戸建ては収納が増えることが期待できます。押し入れや各部屋のクローゼットのほか、納戸や床下収納、屋根裏収納など、集合住宅ではあまり設置できない収納スペースが確保されている場合があります。また、庭や外にスペースがあるなら、物置を置くこともできます。

 

【ペットが飼える】

ペットが飼えるというのは、ペット好きな人にとっては大きなメリットです。基本的に外で飼うことについては、OKな物件がほとんどでしょう。犬・猫を室内で飼いたいという場合は、そもそもの可否とルールの有無を貸主側に確認する必要があります。

 

【駐車場が使える】

多くの一戸建て物件には、駐車場が付いています。マンション・アパートの場合は、敷地内に駐車場があったとしても、月額で何万円という費用が家賃のほかにかかりますし、住戸と駐車場が離れていることも多いです。一戸建ての場合は、家賃だけで駐車場が使えますし、玄関のすぐ前に駐車場があることが多くとても便利です。

 

【庭を利用できる】

庭付きの一戸建てなら、子供の遊び場になりますし、ガーデニングが好きな人は草花を植えたり、野菜や果実を育てたりして、季節感を楽しむことができます。大きな物を洗ったり、干したりするにも便利ですね。もちろん、バーベキューやちょっとお茶を飲むなど、日差しや風を感じる飲食が手軽に楽しめる魅力もあります。ただし外の場合は、「音」に気を使う必要があります。

賃貸一戸建てのデメリット

一戸建てのベランダで洗濯物を干す主婦の様子

一戸建てを賃貸することでのデメリットは、以下のようなケースがあります。

 

【物件数が少ない】

賃貸一戸建てはアパートやマンションに比べると、やはり物件の数が少ないです。そのため、予算、希望エリア、間取りという条件に合致するものは限られてしまいます。住宅地に立地する場合が多いので、駅から遠いなど、利便性を優先することが難しい場合もあります。

 

【家賃が高め】

一戸建ての物件は、同じ間取り、築年数であれば、マンションより家賃が高めに設定されていることがあります。一戸建てを選択する場合には、築年数を妥協するなどの必要が出てきます。ただし、管理費・共益費が別途かからない物件が多く、前述の通り、基本的に駐車場代もかからないので、月額の費用をトータルで考えることが必要です。

 

【構造などについて】

一戸建ての構造は多くが木造です。鉄骨や鉄筋コンクリート造のマンションに比べると、建物自体の強度ではやはり劣ります。しかし、反対にマンションのように気密性が高くないので、通風がよく、結露が起こりにくいと言えます。

賃貸一戸建ての注意点

最後に、一戸建てを借りる場合に注意するべきポイントを挙げておきます。

 

【築年数によって建物構造を確認しよう】

希望の立地条件を優先する場合、築年数が古いものも候補に挙がってくるでしょう。築年数が古くても、リフォームが施されていれば、設備は新しいものになっているでしょうし、機能も便利なものになっている可能性が高いです。床の張り替え、外壁の塗装も済んでいれば、かなりきれいで、気持ち良く暮らせるでしょう。ただ、築年が古ければ、基礎や柱、梁(はり)といった構造部分の老朽化が進んでいることも考えられますので、可能な範囲で確認することをおすすめします。

 

【設備などの確認を】

リフォームしていない場合、またはリフォーム年月がかなり前の場合、浴室、トイレ、キッチンなどの住宅設備が正しく使えるかどうかを確認する必要があります。また、ガス(都市ガス・プロパンガスなど)、上下水道の状況も確認するといいでしょう。毎月の水道光熱費の金額に影響します。

 

【地域のルールなどは自分で確認】

マンションには管理規約というものがあり、居住者が皆で暮らすためのルールがあります。それは面倒な部分もありますが、覚えて守っていれば、お互いに快適に過ごせるというメリットもあります。一方、一戸建てには、管理規約のような明文化されたものはありません。でも必ずその居住地域ごとの決まりごとはありますから、それを確認して自分も行う必要があります。

 

ゴミ出しのルールが最もわかりやすい例ですが、中には輪番制の掃除当番などというものがあるかもしれません。ご近所付き合いを望むなら、自分からアプローチしないとならないでしょう。まずはわからないことは、不動産会社の担当者、貸主に尋ねるといいでしょう。

 

【契約形態を確認しよう】

一戸建ての場合、持ち主が転勤などで家を空けている間だけ賃貸する、という場合が割合多くあります。2年とか3年といった期間限定で貸し出すもので、これを「定期借家契約」と言います。この契約形態では、期間満了後は基本的に契約更新を行いません。そのため期日が来たら、明け渡して住み替える必要が生じます。

 

ただし、契約条項に「再契約可」と定められている場合は、希望次第で新たな賃貸借契約という形で住み続けられる可能性があります。その場合、再契約のための諸費用がかかります。費用名目や金額は物件によって異なりますので、「再契約可」でその意思があるならば、最初の契約をする前に確認しておきましょう。また、貸主は再契約をしない選択ができるため、そのときは引越しをしなければならないことを覚えておきましょう。

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