住む期間に合わせた物件選びをしよう

年数の経過を表した図と建物模型のイメージ画像
住まいを選ぶときには、住む期間のことも考えながら検討する必要があります。住む期間が1年なのか2年なのか、または長く住む予定があるのかで、選ぶ物件が変わる可能性があるからです。どのような選択肢があるかを知り、最適な住まい選びに役立てましょう。

何年住む予定か考える

学生や単身赴任、新婚家庭など、住む人の状況によって、一つの住居に何年住むことになるかは違うもので、期間に応じた最適な賃貸住宅を検討することが必要です。

 

例えば、大学生なら一般的には4年、または6年など、通学する期間は限定されます。卒業後の進路選択で、同じ街に残るかどうかは入学時点で判断することは難しいため、通常は学校にできるだけ近い部屋を探すことが多いのではないでしょうか。いろいろと理想の条件はあると思いますが、居住期間が決まっていることを考えれば、学校との距離感を優先して選択する可能性が高いでしょう。

 

学生に限らず、ある一定の期間だけ住むことになる場合は、立地条件を優先するか、多少不便でも家賃の安さを優先するか、割り切って選択することも必要です。

 

一方、新婚家庭・子育て家庭なら、幼稚園や小学校などへの通園・通学のことを考えて、ある程度長く住むことを想定しているかもしれません。自分がどのくらいの期間で住むことになるのかを、事前に考えながら住まい探しをしましょう。

初期費用を抑える方法

間取り図、紙幣、計算機を前に初期費用を考える男性

初めから住む期間が決まっている場合、期間に合わせてできるだけ費用を抑えられる物件の検討ができます。

 

例えば、単身赴任で「1年だけ」とあらかじめ期間が限定されている場合、生活に必要な家電製品などの家財道具を一式そろえていたら大きな費用がかかり、1年後に使わなくなったときの処分にも困ります。このように短期間の居住が決まっているときには、「家電・家具付きの賃貸物件」を検討する、あるいは、多少他の希望条件を我慢しても家賃が安い物件を検討することもよいでしょう。

 

また、短期間で賃貸借契約をするときには、敷金や礼金などの初期費用をできるだけ抑えられるといいですね。特に礼金は、敷金と違い返金される可能性がない費用です。「敷金・礼金ゼロ」などの条件で探すことや、数カ月分の家賃が無料になるフリーレント物件を検討することもコストを抑える方法の一つです。

 

長い期間住むことを想定しているなら、初期費用の節減に加えて、後々発生する「更新料」についても考えておきましょう。更新料とは、2年、3年など一定の期間で設定されている賃貸借契約を、契約満了時以降も継続するための費用です。

 

物件によって更新の期間、更新料の金額が違います。長く住む人は、更新料の金額とサイクルによってトータル費用に差が出てきますので、事前に確認しておきましょう。

定期借家契約物件を検討する

通常の賃貸借契約は、契約期間満了後に更新手続きを行うことで、継続して住み続けることができます。これに対し、最初から「更新をしない」ことを前提として、賃貸借期間を定めた契約形態を「定期借家契約」と言います。定期借家契約は、原則として契約満了後の更新はできません。そのため、期間満了時点で確実に退去、明け渡さなければなりません。また、期間途中での解約はできません。

 

学生や単身赴任などで、あらかじめ居住期間が限定されている場合は、更新のない定期借家契約の物件を検討しても良いでしょう。ただし、住む期間が延びたときには、別の住まいを探さなければならない可能性が高いので、もしも通学期間が長くなる、もしくは単身赴任の期間が延びる可能性があるならば、慎重に考えた方がいいでしょう。

 

とはいえ、定期借家契約でも、貸主と借主の双方が合意すれば「再契約」という形で住み続けることができます。しかし、原則はあくまでも一定期間限定ですから、必ず再契約できる可能性があるかを事前に確認するとともに、契約時には契約書にその旨の記載があるかどうかも確認することが重要です。

 

定期借家契約の借主側のメリットとして、家賃の設定がやや低めの物件が見られる、ということが挙げられます。これは、設定期間の条件に合う人が少なく、なかなか借り手が見つからないという事情によるもののようです。

 

このように、定期借家契約がどういうものかが分かった上で、居住期間に合うものならば、物件探しの選択肢に含めてはいかがでしょうか。

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