購入申込みは何をする?留意点は?

不動産売買契約書と買付証明書のサンプル
住まいを購入するときは売買契約を結ぶ前に、まず「購入申込み」をします。不動産は高額な商品になるので、「申込み」という手順を踏んで、いろいろな確認を済ませてから契約という段階に至るのです。申込み時に留意すべき点はさまざまありますので、購入を検討しているのなら知っておきしょう。

購入意思は必ず固める

そもそも申込みは契約ではないので、あくまで「買いたいという意思を提示する」という行為になります。ただし、申込み後に契約することを前提としているので、購入意思は必ず固めてから申込みをしなければいけません。購入意思を固める前に確認しておくことは以下の点です。

 

【販売方法の確認】

まずは、販売方法が「先着順申込み受付」か「抽選による申込み受付」かの確認をしましょう。中古物件は、基本的に先着順で申込みを受け付けますが、新築物件の場合は、本申込の前に抽選を行うことが多々あります。先着順申込み受付の場合は、早い者勝ちなので、その住戸に申込みを入れたタイミングによって購入の優先権が決まります。

 

一方、抽選による申込み受付は、新築分譲住宅・マンションに良く見られる方法です。まず登録期間を設け、登録期間内にその物件を買いたい人を募集します。登録した人が一人であればそのまま申込みになりますが、複数の登録者がいれば抽選を行います。抽選の結果、当選した人に本申込みの権利が与えられるというわけです。抽選倍率は分譲規模などによって違いますし、方法も物件ごとに異なる部分があるので、確認が必要です。

 

【価格はじめ条件面の確認】

申込みの意思確定に欠かせないのが、価格はじめ条件面の確認です。募集の段階で、価格やその他条件は提示されていますが、未定の部分もありますし、変更になることもあります。特に、価格は値引き交渉の余地があれば、買主にとって有利な値引きができる可能性があります。

 

売主側は、申込み~契約までの期間内に、申込み後に確認・決定した条件内容にて売買契約書を作成します。この段階では、価格変更はもちろん、ほかの条件も変えられないので、その手前で調整を済ませておく必要があるのです。

「申込金」とは何か

1万円札による申込金イメージ

購入の申込みをするときには、「申込金」というお金を支払うケースがあります。以下の点を理解しておきましょう。

 

【申込金の意味】

売主が「申込金」を求めるのは、買主の「本気度を測るため」という意味合いが大きいです。申込金額は売主の設定によって異なりますが、相場は10万円前後になります。買主がその10万円を支払うのをためらうということは、売主側は、その買主に対して申込みを撤回する恐れがあると考えるというわけです。

 

申込みが受け付けられると、原則的にその物件は他の人が申し込むことができなくなります。つまり、一旦購入者の募集を止めるわけです。ですから売主は申込みの撤回をされると、その分の販売期間が無駄になるという不利益を被ることになるので、その回避策として申込金の徴収という形で買主の購入意思をはかるのです。

 

【申込みを撤回したとき】

もしも、申込みを撤回した場合には、申込金は全額返還されます。というのも、申込みは法的拘束力がなく、単なる意思確認だからです。申込金も売主が「預かるお金」という扱いになるので、申込みが撤回されれば全額返金になるというわけです。

 

【申込金納入時の注意点】

申込金を支払う場合には、必ず「預かり証」を受け取るようにしましょう。よほど悪質でないと「返金しない」などということはありませんが、お金のことなのでリスクヘッジしておいた方が無難です。

「買付証明書」とは何か

「買付証明書」とは、主に中古物件購入時に提出する書面で、新築物件購入時の「購入申込書」と似ています。新築物件購入時は「購入申込書」に署名・捺印し、中古物件の場合は「買付証明書」に署名・捺印するというわけです。買付証明書に関しては、以下の2点を認識しておきましょう

 

【買付証明書の記載内容】

買付証明書に記載する項目は以下の通りです。

 

・住所や氏名

・購入希望額

・引渡し希望日

・資金内訳

 

買付証明書にフォーマットはありませんが、一般的には上記のような内容になります。諸条件を記載することで、口頭での取引ではなく、きちんと書面上の取引にするのが狙いです。

 

【買付証明書の意味】

そもそも、なぜ購入申込書ではなく「買付証明書」と呼ぶかというと、その条件で売主がOKするかがわからないからです。新築物件の場合は、販売する不動産会社が売主ということが多いので、諸条件が決まりやすいということがあります。そのため、条件確認と申込みが同時に行われるという状況が多くなります。

 

一方、中古物件の場合は、買主と話をする販売担当者は、取引を仲介する不動産会社の社員であり、その先に売主がいるという構図です。そのため、一旦諸条件を書類にまとめ、売主に提示・確認するという意味で「買付証明書」を提出するのです。

 

そして、その買付証明書の内容で問題なければ、売主は「売渡承諾書」という書面を発行し、売買契約へと移行します。もちろん、買付証明書を提出したものの、売主がその条件に納得しなければ買付証明書は無効になります。そのときは、買主は再度交渉するか、売主の提示した条件を受けるか、あるいは購入を諦めるかを決めます。

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